インボイス制度の「インボイス」とは、売り手が買い手に対して発行する「消費税の納税額の証明書」のことです。
インボイス制度を理解するためには、消費税について理解する必要があります。
この記事では、消費税の基本について説明していきます。
消費税のしくみ
消費税とは、商品や提供されたサービスに対して課税される税金です。
商品やサービスを利用した「消費者」が負担し、取り扱う「事業者」が国に納税しています。
1国内で、2事業者が行う、3対価を得た、4資産の譲渡・貸付やサービスの提供、の要件を満たした取引が「課税取引」といい、消費税の課税対象になります。
給料、保険金、配当、贈与、寄付、税金などは「非課税取引」です。
土地の売買や貸付、保険診療、有価証券や債券の売買、利子、学校教育の授業料・教科書代などは「不課税取引」です。
輸出売上や国際線の航空券の運賃は、「免税取引」で、消費税率は0です。
消費税の「標準税率」は10%です。
また、飲食料品(外食・種類を除く)や定期購読の新聞は、「軽減税率」8%が適用されます。
免税事業者制度
事業者の消費税の納付額は売上消費税から仕入れ消費税を差し引いたもの「=仕入税額控除」です。
「免税事業者制度」により、1,000万円以下の事業者は、消費税の申告・納税の義務はありません。
免税事業者は本来国に納付されるべき消費税が手元に残る分だけ得をするので、これを「益税」といいます。
事業を始めたばかりの課税期間などで売上消費税よりも仕入消費税のほうが多いことがあり、免税事業者の立場では還付を受けることができずに差額を自腹で負担しなくてはいけません。
あえて免税事業者でなく課税事業者を選択した場合には、少なくとも2年間は課税事業者を続けなくてはなりません。
簡易課税制度
「簡易課税制度」とは、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の課税事業者については、控除する仕入消費額を、売上消費税に業種ごとの「みなし仕入率」を掛けた金額とすることができるという制度のことです。
それにより、事務手続きの負担が減ることに加え、消費税の納税額を大幅に軽減することも可能になります。(損をすることもあります)